富士山のご来光撮影ガイド|場所・時間・混雑と安全上の注意

撮影テクニック

富士山のご来光は、山頂まで登らなくても登山ルート上の一定地点から見られます。富士宮ルートは新七合目以上、御殿場ルートはルート上、須走ルートは樹林帯を抜けた場所、吉田ルートは五合目以上が目安です。見える条件や通行できる区間は時期や年度で異なるため、撮影日には開山情報・日の出時刻・天候を調べてください。八合目以上は午前3時ごろから5時ごろに混雑しやすいため、登山者の通行を妨げない場所で撮影しましょう。

山頂に登るか、山麓から撮るかを決める

まず、撮りたい写真に「山頂から見下ろす景色」が必要なのか、「富士山の姿と朝の光」を写したいのかを整理します。山頂を目指す場合は、登山ルート上のご来光が見られる場所と、その日の通行条件を確認して計画します。山頂まで登らなくてもルート上から見られる場所があるため、必ずしも山頂到達を前提にする必要はありません。

登山をせず、山麓から富士山と日の出を撮る方法もあります。撮影できるかは天候や現地の状況に左右されるため、撮影場所の利用条件と当日の天気を調べて計画を立てましょう。登山の負担や規制を避けたい場合の選択肢になります。

山頂以外でご来光を見られる場所の目安

富士登山オフィシャルサイトが案内する、ルート別の目安は次のとおりです。

登山ルート ご来光を見られる場所の目安
富士宮ルート 新七合目以上。時期によって条件が変わる場合があります
御殿場ルート ルート上
須走ルート 樹林帯を抜けた場所
吉田ルート 五合目以上

目安となる地点でも、見えるかどうかは時期や天候、現地の状況によって変わります。当日の案内に従い、登山道を外れて撮影場所を探したり、通行の妨げになる場所にとどまったりしないでください。ルートを選ぶ際は写真の撮りやすさだけでなく、開山期間と通行可能区間も調べましょう。

詳しいルート別の目安は富士登山オフィシャルサイト「混雑を回避する」で確認できます。

日の出時刻は撮影日と地点に合わせて調べる

ご来光の時刻は日付や撮影地点によって変わります。季節の概算をそのまま撮影日の予定時刻として使わず、撮影する日と場所に合った日の出時刻を調べてください。山頂と五合目付近では地点が異なるため、山頂の時刻を別の場所の撮影計画にそのまま当てはめないことも大切です。

季節の大まかな目安として、民間事業者の記事では、7月上旬から中旬は午前4時30分から40分ごろ、7月下旬から8月上旬は午前4時40分から50分ごろ、8月中旬から下旬は午前4時50分から5時ごろと紹介されています。これは特定日の確定時刻ではありません。移動時間や待機時間を考えるときは、撮影地点に対応した最新の時刻を基準にしてください。

混雑する時間帯を見込み、撮影場所を占有しない

山頂でご来光を目指す登山者が集中するため、八合目以上は午前3時ごろから5時ごろに特に混雑します。登山者の流れを妨げないよう、混雑予想と現地案内を踏まえて計画を立てましょう。特定のルートや日が空いているとは限らないため、日時ごとの混雑情報を計画に反映してください。

撮影中は、周囲の登山者の通行とプライバシーに配慮します。登山道を撮影場所として占有せず、混雑した場所では三脚や自撮り棒を使わないでください。登山者を無断で撮影することも控えます。撮影のために立ち止まるときは、通行の妨げにならないかを優先して判断し、安全に場所を確保できない場合は撮影を見送ることも選択肢です。

混雑傾向は富士山の来訪者マネジメント情報を参考にし、当日の状況は現地の案内に従ってください。

開山・通行情報と当日の天候を確認する

富士山の開山期間はルートによって異なり、正式な日程はシーズン前に発表されます。登山道の通行可否、入山規制や手続き、山小屋の営業・予約状況を含め、計画する年の公式情報を基に準備してください。2026年シーズンは終了し、登山道は冬季閉鎖中と案内されています。次のシーズンの計画は、公式発表後に立てましょう。

また、開山中であっても、撮影直前に天気・風・気温・警報などを確認します。五合目などの山麓と山頂では天候や気温に大きな差があり、急変することもあります。富士山頂は夏でも日の出前に気温が0度近くまで下がる場合があり、ご来光を待つ時間が長くなるほど低体温症の危険が高まります。防寒着、セパレートタイプの雨具、登山に適した靴を用意してください。

現在の観測情報を掲載するサイトは、予報や警報の代わりにはなりません。気象情報や安全に関わる判断は、予報・警報を発表する公的な情報源で行いましょう。山小屋に宿泊しないまま夜通し登る計画は避けてください。

ドローンや商業撮影にはルールがある

富士山では、八合五勺以上でドローンやパラグライダーの使用が禁止されていると案内されています。禁止範囲を富士山全域と読み替えることはできませんが、撮影を計画する地点のルールを事前に確認し、禁止されている場所では使用しないでください。墜落などによる登山者への危険も指摘されています。

商業目的のロケや撮影を行う場合は、環境省・山梨県・静岡県の関係行政機関へ事前に問い合わせてください。個人の撮影でも、通行の妨げや周囲のプライバシーに配慮しましょう。詳しくは富士登山の前に必ず知っておくことに掲載されています。

まとめ:撮影場所より先に、条件と安全を確認する

富士山のご来光は山頂以外でも見られ、ルートごとに目安となる場所があります。撮影計画では、次の順に確認すると判断しやすくなります。

  1. 山頂・登山ルート上・山麓のどこから撮るかを決める
  2. ルート上の目安と撮影日の通行可否を調べる
  3. 撮影地点に合わせた日の出時刻と混雑情報を確認する
  4. 天候や装備を確認し、通行・撮影のルールを守る

ご来光を撮ることより、登山者の安全と通行を優先してください。開山日や規制、天候は変わるため、撮影する年・日程の公式情報を確認してから出発しましょう。